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2008.03.15

【連続記事: あなたの気づかない日本のいいところ Vo1】text by 取締役・営業部長 白石ルース

『簡単にYesを出さない信頼できる日本人』

来日して20年が立ち、日本企業でしか勤めたことのない私は、時折、自分の国籍がわからなくなることがある。
先日、ニューデリへ出張へ行った時のこと。ホテルで日本人を見かけ、凄く安心している自分に驚いた。実家のハワイに帰った時もそうだ。日本語を話している日本人がいると声を掛けたくなり、すぐにでも「コマネチ!」など日本的なジョークを交わしたくなる。これは、私だけであろうか・・・・・?
その“安心感”はどこからくるのかと考えたところ、外国人とビジネスをする中でヒントを見つけた。例えば、何かを提案される場面において、「そうですね、ちょっと考えます」と私が自然に応えるようになっていることである。他のアメリカ人のようにすぐに「Yes!,OK!,Let’s Do It!」などを簡単に答えを出さない。
日本流ビジネスから私は、いつの間にかケアフル・シンキングの大切さを覚えた。国民性とは言えないが、日本人はよく考えてから返答し、行動するのが一般的である。
次に、外国のビジネスマンに、「日本では中々Yesがもらえないが、Yesと言われた時はほぼ確実に実行されると思って下さい」とアドバイスをすることがある。
外資系企業は日本企業の判断に時間が掛かり過ぎとよく立腹している。海外では、「○○をお願いします」と頼むと「OK!」と元気よく返事され、「明日までに」とか「5分後にやる」など、「納期」まで指定するケースも非常に多い。しかし、日本人的になった私は全く疑わず待っていると、納期を過ぎても頼んだことが出来ていない。「例の件、どうなりましたか」と尋ねると「え、何でしたっけ」とか「あ、それですね。すぐにやります」と再び納期を延長されてしまう有様。日本的に言うと「いい加減」と言われても仕方がない。しかし、他国ではこういうことが日常茶飯事で起きており、周りのビジネスマンも諦めながらもその「いい加減」を我慢し楽しんでいるのである。

ビジネスの場で一番気持ちがいいのは、“安心感”である。つまり、ケアフル・シンキングの日本流ビジネススタイルの流儀こそ重要なのである。
「報・連・相」話しをよく聞き、上司や同僚に報告・連絡・相談を徹底的に行い、責任ある答えを出す。時間は要すが、いまのビジネス界の早すぎる変化や動きに、確実性をもたらす貴重な効果があるのでは?

Text by 取締役・営業部長 白石 ルース
「美楽(Bigaku) 4月号掲載」

  • Profile
    取締役・営業部長
    白石 ルース

    20年日本滞在、ハワイ出身。
    2006年に、欧米系女性として初の宅地建物取引主任者だ。