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2008.06.15

【連続記事: あなたの気づかない日本のいいところ Vo4】text by 取締役・営業部長 白石ルース

『逆境に貴重な免疫をもっている日本人』

“だめもと”という考えに初めて出会った場所は日本でした。“Assuming the worst” みたいな直訳になりますが、”だめもと“の考えは、とても後ろ向き、ネガティブな姿勢であると思い、長い間勘違いを抱いていました。
率直に言うと、来日から私がミステーク(勘違い)したことが多すぎて思い出すたびに本当に恥ずかしくなるのです。例えば、自称「渋谷中心に生きる日本人説」もそうでした。漢字がパーフェクトに読めない間、日本のどこの高速道路にのっても、‘渋谷’5キロや‘渋谷’10キロという表示があるのが不思議で仕方なかったのです。そして、主人の実家の福岡に行っても、高速にのる機会があるとまたまた‘渋谷’3キロの看板があります!どうして?車を持っていなかったので高速をさほど乗りませんが、その表示がいつもとても気になり、私の中での日本不思議ナンバー・ワンでした。考えてみれば福岡から渋谷まで3キロでいけるはずもないし。。。とにかく、渋谷という場所は日本全国でとても注目されているなって思いました。
やっと5年くらい前に‘渋谷’と‘渋滞’の見分けができるようになり自分自身本当に大きなミステリーが解消され、すごくほっとしています。
国や言葉が違うと思いがけない「勘違い」が発生しやすいのですね。「だめもと」の考えについても同じでした。「うまくいかない」前提で動くなんて、考えられないと思いました。アメリカ式の営業ですとアポに行く前にも、すでに「受注済み状態」や「受注を決定している姿」をシミュレーションする。最初から「大成功する」という前提でものごとを取り組むのです。もし「だめもと」で動いていることがばれたらとても叱られ「Negativeシンキングやめなさい!」と言われます。自分を信じる、ボスを信じる、可能性を信じる、サクセスを信じることを小さいごろから教わります。
でもこの「信じる」「信じたい」気持ちが過剰になりがちで、うまくいかないと必要以上の絶望感に覆われてしまいます。「アップダウンが激しい」と日本でよく耳にする表現が不適切なくらい、こうなってしまった人は「アップダウンオンリー」な精神状態になり、落ち着きのない生活になります。現実に対するDisappoint(絶望感)の結果なのか常に「もっといいもの」を求めてしまいます。理想的なイメージ通りにいかないことがアメリカの高い離婚率や離職率の背景の一つではないでしょうか?
日本的な考え方は逆だとわかるようになりました。極端かもしれないけど、ときには、だめもとに就職志望をだしてみたり、だめもとに起案してみたりする人がたくさんいて、現実的なアプローチをもっています。「そんなうまくいくはずがない」と頭のどこかに思っている日本人には重い絶望感に対しての一種の免疫ができています。チャレンジたっぷりな社会情勢を克服できるレアな精神力であり、そこから生まれる強さを自負してグローバルステージでの活躍を「だめもとに」されてみていただきたいと思います。

Text by 取締役・営業部長 白石 ルース
「美楽(Bigaku) 7月号掲載」

  • Profile
    取締役・営業部長
    白石 ルース

    20年日本滞在、ハワイ出身。
    2006年に、欧米系女性として初の宅地建物取引主任者だ。